私の好きなことや言葉で、誰かの窮屈さが一瞬でも和らいだらいいなと思っています

150年前の石臼でコーヒー豆を挽く

石臼でコーヒー豆を挽いてはいけない決まりはない

行動を起こすための一歩を踏み出す許可を真に出せるのは自分しかいない。思い付いたやりたいことを人に迷惑がかからないなら思い切ってやってみたい。しかしその願いはアクションを起こさないなら永遠に実現しない。
実行しないのは周囲の人間や社会の常識を無意識に受け入れているからではないだろうか。
――常識を疑え――。
コーヒー豆はコーヒーミルで挽くと誰が決めた?

目次
1.石臼の説明と準備
2.作る手順
3.コーヒーを飲むまでに要した時間
4.味の評価とまとめ

というわけで息苦しい冒頭部分はさておき、今回はコーヒー豆を石臼で挽いて
最高にロマンチックな一杯を作る過程をご紹介します。

1.石臼の説明と準備


構造→同じ径の円形の石が2つ重なったものにそれぞれ溝が放射状に彫ってあります。
ざらざらした灰色の砂岩系?で足の指を素足でぶつけるとサメ肌にこすられたような痛みに襲われます。大きさは直径が31cmで高さ上下10cmずつです。上の段は14.1㎏、下が16.8㎏もあります。両方抱えて移動するのはとても無理です!
上の石のみ上面が縁から2cm下がって平らになっています。回すことですり潰しながら粉がその溝に落ちて外に送り出される仕組みとなっています。溝を掘る角度なども長年の知恵で完成されたのだと思うと畏敬の念を感じます。90歳の祖父が幼少期の頃にはすでにあり、その祖父の祖父も使用していたということで一世紀は余裕で経過しています。
上の石には材料を入れるための穴が開いていてそこから少しずつ材料を入れていきます。上下の石には中央に丸い穴が開いていてそこに木製の円錐様の芯を入れて2つの石が外れないようにしています。
木の取っ手を別に作りそれを石の取っ手用穴に差し入れて回すことで粉を挽けるようになります。
石臼の芯:長さ10.5 上径2.5 下径3.8cm。(一例です。ただ、真っ直ぐ円筒形につくると石が噛んで回らないです。)
芯を下石の底から入れたあとに新聞紙等で隙間を埋め粉が中心部に詰まるのを防ぐ必要があります。先代の芯↓ 呪物のようです。

2.作る手順
10gの豆を用意して挽いた後、出てきた粉をコーヒーフィルターに入れてつくります。3月の下旬、家の中は少し寒いのですが、回すのにかなりの力が必要で全身から発汗。
途中から左手に持ちかえてなんとかフィニッシュ。下の敷物は薄い段ボールと新聞紙だけでは動くのでしっかりしたものを選ぶ必要があります。
挽いた後の結果が下の画像です。芯周りに大きい粒が残ったままで、これは調整ミスです汗。右の写真では材料が少なかったのか石同士がこすれて白い別の粉が出ています。難しいですね。

3.コーヒーを飲むまでに要した時間
10gの豆を挽くのに5分、粉を回収しお湯を注ぐところまで40分もかかりました。
家族がじゃりって言いそう! と失敬なことを言うので昔の人はそんなやわな道具つくらない!
と思いましたが、若干下に砂粒のようなものも見えたりして少しばかり不安増に。

↑観葉植物を植え替えた後のような、コーヒーづくりとは思えない光景が広がり(コーヒーloverの皆さますみません)どうしようかと考えていましたが、
コーヒーの粉はフィルターにかけることを思い出し歓喜。マ○オおじさまがスターで無敵状態になった感じで砂粒交じりでも無敵です。

4.味の評価とまとめ
豆がそのままのものもあり、淹れたコーヒーの色は濃い紅茶のようです笑

味は、美味しい!! いつもインスタント生活なので久しぶりの挽き立ては香りが最高です。
カフェインもしっかり感じられます。しかし苦味はアメリカンのような優しさ。豆が充分に挽かれていない技がうまく結果に結び付きました。
でも、ロマンチックとかじゃなくつらすぎる……。一種の競技です、これは。オススメしにくいです笑。

まとめ
私はこれをおじいさまの家で見つけて最初に黒い大豆を挽いてきな粉をつくりました。ちょうど餅つきが終わった頃で柔らかいお餅に砂糖入りのきな粉をまぶした美味しさは忘れることはなく、
コーヒー豆を買ったことでその記憶がよみがえりまた石臼を使うことになったのでした。
効率化社会が良いのなら、コーヒーミルなどとうに絶滅しているはずです。手間をかけて何かが出来あがっていく。その過程の何とも言えない時間はきっと現代人にも必要な時間です。
皆さんにも遠回りしてかけたひと手間がかえって豊かさを創り出すような瞬間が訪れるといいなあと思いました。

P.S.実際粉になった後は中々粉が石から離れないので未使用の絵具筆で払っていました。かなり時間がかかります。そして水で洗うなどして食品の粉を残さないようにしないとカビの原因になります。
私は石を重ねたまま放置していたところ、削れた木の芯部分にカビが生えてしまいました。オイルを塗りこんで対策はしたのですが、乾燥が足りなかったのかもしれません。

読者の皆様には大変申し上げにくいのですが、現在石臼は倉庫に眠っています。
近々コーヒーミルを買いに行きます笑。文明の利器をうまく使いながら無理なく
自分に合った生活スタイルを見つけていきましょうね。

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