良い諦めと良くない諦めについて
皆さんは諦めることが多い性格ですか、それともだめかもしれないと思ったとしてもさらに時間を使ってこだわってみる性格ですか?
人生において、さらに言うとうつ病の方にとっては諦め方というのはかなり重要なことではないかと感じています。うつ病当事者である私は「これ以上はやめておこう」としていることをストップすることがなかなかできず、苦しいままの時間が続くという状態に繰り返し陥っていました。実行している課題を手放して一旦諦めるか、もう少し続けてみるのか。この見極めを意識することでかなり気持ちが軽くなったのでここに書き記そうと思います。
1. うつ病の人の心理状態
2. 良い諦め・良くない諦めとは
3. 気分が沈んでいる時の対応
4. まとめ
1.うつ病の人の心理状態
うつ病の方、もしくは人間関係において気疲れがひどい方は完璧主義傾向の人が多いと言われ、まずざっくり形をつくってから細部を修正していくというパターンが世の記事などを見ていると難しいようです。私に関してはそれがよく当てはまっていて、
●素晴らしい成果物を出そうと考える
⇒ハードルが上がり漠然とした不安に襲われ動けなくなる
⇒良い成果を得る確率を上げるため環境を整える(机周りや部屋の掃除等)をやりだしてしまう
⇒仕事量が自動的に増えることで進捗が遅れる
⇒締め切りが迫り焦る。
という嫌な流れを何度もしていました。基本的な自己肯定感が死亡しているので、何か別のことをこなして自信ポイントを稼ごうとするのですが、人生の遅れを取り戻そうと力が入り過ぎているとそこで「掃除はしてもいいけどメインは成果物を出すための作業なのだから時間を決めてやろう」といったストップをかける冷静さが足りなくなるのです。
特にうつ病の状態では気力の総量が非常に少ないので消費する気力ポイントの判断、ペース配分は重要であり、意識して行う必要があります。
作業をする前に部屋の片づけをし過ぎるとそれで気力を使い果たすことにもなってしまいます。どこで諦めて(緩めて)、どこで力を込めるのかを考えることは重要なのです。
2.良い諦め・良くない諦め
良い諦めは自身の体調不良や作業時間の長さを客観的に認識して休憩を取る状態です。一方で良くない諦めは日常の些細なことも含めて全てマイナスに感じ、カコも未来も最悪に感じて自分の人生を一切放棄したり、死ぬしかないと考える諦めです。
3.気分が沈んでいる時の対応
体感として諦めが選択肢に上がってこない時というのは体調が悪くうつ発作が起きている時が多いので、そういう状況下では日常のちょっとした行動さえ、達成が困難になっています。
なのでそこでどれだけ焦っても事態が好転しないどころか悪化する可能性が高いです。そこで意識することは良い諦め——開き直って回復を優先する——もっと言うなら高度な思考よりも純粋に快か不快かフィーリングで選り分けすることに意識を集中させる。そして快だと思ういくつかのことから出来そうなことを実行すると少し悲観的な感情を抑えることが出来ます。食べ物を食べる、眠る、呼吸に集中する、シャワーを浴びるといった頭ではなく、身体感覚に意識をすり替えると楽になります。いくつか試してみて感触がいいものをやってみて下さい。
4.まとめ
感情の良い悪いを判断しているのは理性であり、色付けしているのは実は自己の解釈です。物の見え方を変えることが出来れば如何様にもなります。(実際は気分が上がらないから困るわけですが。)
なので感情の波から来るその判断は真理だと確信するのではなしに、また悪いから押さえ込もうとすることもしない。死にたいと思うこと、続けていた習慣が出来なくなったことは一旦意味づけをせず、身体感覚に思考をずらせるように良い諦めを挟めると少し楽になると思うのです。