うつ病と習慣化について
カイルです。
習慣化は自己啓発本の中でもタイトル数の多いテーマです。しかし本の数が多いというのはうまく対処できずに困っている人がたくさんいるという証でもあります。だいたいみんな途中で止める。
だから本もずっと必要とされるというわけです。自分がやりたいこと、必要とすることをより継続してできる人生が手に入るならそれを望む人は多いと思います。
私も文章を書く時間をもっと増やしたいと願って色々な工夫をしていますがなかなか成果に表れず困っています。うつ病等の精神疾患を抱えながら何かを習慣化していくのはなお一層難しいです。
私はうつ病の本格的な治療開始から8年は経過していますが昔より症状は若干ましになったにすぎませんので、この記事を見て人生を好転させてやる! というより身体の力を抜いて気楽に読んでみてほしいです。
習慣化というとどうしてもシリアス人生な感じがあるので身体に力が入ってしまっていますが、脱力していきましょう。力が抜けているほうがかえって継続が叶います。
習慣化ってワードがすでに呪いのようなものなのかもしれません笑。
1.うつ病と習慣化の相性
2.本当にやる必要があるのか考える
3.うつ病と運動の関係
4.まとめ
1.うつ病と習慣化の相性
世間一般の習慣化と精神病の相性は良くないです。その理由はうつ病等で困難を抱えている方は人生をこのまま沈んで終わりたくない、本を読んだならしっかり目に見えて生活改善を目指したいと力みが入ってしまうのではと私が想像しているからです。しかし実際のところ、
習慣化はそこまで難しくないです。
こう表現すると無責任な妄言を言うなと言いたくなると思います。なのでより正確に表現すると
習慣化したい行動の中で高度なものを除き、本人の合格ラインと習慣化の捉え方を変えれば難しくないということです。
毎日富士山の山頂で朝日を見る、とかそういうほぼ不可能なことをやらずに日常生活のレベルで難易度調整をすれば習慣化は可能ということです。
しかしそれだと相性が良くないということと矛盾しているように思うかもしれませんが、習慣化をしていくにあたって大事なことは自分を許すということです。
これは体調が悪くて余裕がない方にとっては結構難しいのではないでしょうか。3日に一回でも一週間に一回でも他のできなかった日をスルーしてできた日だけポジティブにカウントできればそれは紛れもなく習慣化に近づいているのです。
私の場合は浪人生活をしている時にはすでに予備校に行く費用が余計にかかっていることが罪悪感を増幅させていたので、
それを挽回しようと自分に発破をかけるために毎日3時間は勉強すると目標を立てていました。その結果1時間しかできないと残りの2時間が重くのしかかり翌日に5時間の学習をすることを誓うのですが、当然余計にできないわけです。
ここで精神不調の中で1時間も学習時間を確保した尊さがうまく拾えていたら翌日はもう少し気分を上げて勉強ができたはずです。
不定期であろうと決まった時刻にできなかろうとできたことそのものを120点に評価して次もまたできたらラッキーくらいに自分をうまく動かせればほぼ成功は間違いないところまできています。
2.本当にやる必要があるのか考える
私は依然として今の生活に満足しておらず、生きるの嫌だなと思いながらそれでも今死んだら家の淡水エビや熱帯魚、植物コレクションが行き場を失ってしまうので思いとどまって生きています。
毎日やりたいことが全然できてないなと思って過ごしていましたが、急に効果が表れたことがあります。それが筋トレでした。
筋トレは朝のウォーキングや資格の勉強と並んで挫折リストの上位存在ではないでしょうか。
私は体調が安定しないので、散歩やジムに行くことがとても困難です。なので筋トレは家でできる自重トレーニングです。
いつもソファーに座ってじっとしていたり、アニメを見たりしていると身体が固まってきて疲れた感じがずっと取れないみたいなことが日常的にあり、何かしらの気分転換がしたいと思っていました。
一般論としての運動がうつ病にいいということよりも運動しないと気分がずっと晴れないという問題を解決したかった。
しかしながら筋トレはただ気分転換をするために行うと目標を変えたのはここ2年くらいのことなんです。その前の3年くらいはうつ病を治療して生活リズムも整えて人生を変える手段として筋トレや運動を位置づけていましたので毎日何かすることを自分に課していました。
腕立て伏せの日、腹筋の日、そしてスクワットの日と部位を変えてそれを準備運動としてさらにその後ランニングを毎日。だけど全然できません。その後でランニングをしないことにしましたが筋トレも全然続きません。
うまく続けられないことで自分を責めて体調も悪くなり一か月で6回くらいしかできないことが結構長くありました。健康になりたいのに、余計に精神状態が悪くなるというのは損な感じですね。
筋トレしていない間もうつ発作はきてその度に運動も睡眠もできないから食べることしか気分転換の方法がなくて運動して減らした分が一気に吹き飛んでしまいました。明らかに体重計の数値が悪そうな時はもう体重計に乗りませんでした。
それでも2年,3年とやってきた結果今ではどれだけ食べても体重がほとんど増えなくなりました。そして少しの運動でも筋肉量が多いからなのか負荷をしっかりかけられるし、代謝効率もいいのだと思います。何度も計量している内に体重が増えないことに気づけたので、それくらい自分の至らなさ、自責の念が頭の大部分を占めていて苦しい生活をしていたのだと思いました。
数年かけてわかったことは決意しても自分を責めてもそれを実行する動機に変換することができないのが私の人生だということでした。
継続していこうとすること自体が苦痛で嫌になっていたので、そこでやる気の限界に気づいてこだわりを手放せたことはかえって良かったのでした。
うつ病の改善のために筋トレをしないと決めました。血の巡りをよくすると気分が少し良くなるのでその目的だけのためにすることにしたのです。
運動、そしてストレッチをすること自体を報酬にすることにしたのです。そしたらもう毎日するという目標は必須ではないのでやらなくてもスルーできるようになりました。気分を変えたい時で身体を動かせる時にやるということだけでもうOKになったのです。
自分が目標に定めたことが精神病を抱えた状態で本当にやるべきことなのか、そして実際問題として今の生活スタイルで現実的な目標なのか。何を報酬にすればとりあえずの合格が出せるのか。
その合格は毎日実践しないといけないのか、それとも一週間のどこかで2回できれば充分なのか。
やろうとしていることを本当にやる必要があるのか、うまくいかない度に再考していくことには大きな価値があります。その中で不定期でも続けていければ成果に現れて、結果として自分でできていないと思っていても実現したかったことの一部が達成できています。それは間違いなく習慣化の結果です。
3.うつ病と運動の関係
うつ病の症状の改善には運動が良いということはどうやら本当のようです。各種書籍や論文でも有意な結果が出ているように思います。
散歩が良いというのは実感として多少はあります。多くの医療法人のサイトでも「運動 うつ病」
と検索すれば行動療法などの説明が出てきます。しかしその治るための散歩を続けること自体が非常に難しいのでその散歩を続ける方法をさらに調べたところ、
先に着替えや靴など環境を整えて行動に移すハードルを低くする、
気分が良くない時を基準に設定し、外に出るだけでOKなどの達成可能な最低限のゴールをつくっておくなど、
自分を責めずに、時間帯も距離も決めずに続けるといいということです。しかしやはり前日に運動着を準備したり、もう運動用のジャージのまま眠ったりしましたが、外にすら出られないことが何度もあり、その度に消えたくなりました。
散歩に行くと血が巡るからとか、風や季節を感じて気分転換になるからだとかいろいろな効用が言われますがそれは私の経験から言えばその日が体調が悪くないからというだけの話な気がしています。
単純にうつ発作がなく身体が動くからたまたま外に出られていて、心も死んでいないから歩くと気分が良いし、花の匂いや外界の色味が認識できるというだけなのです。
体調が悪いと身体があまり動かないし、景色を見ても花が咲き誇っていると自分は対照的にしぼんで死にそうなことにむかついてくるし、帰ってくると疲労がひどくなりそのまま一日が終了してしまうこともありえます。実に度し難く面倒ですね。
なので前述のように本当にそもそもやる必要があるのか、もっと言うとそれをすることで何か効果があるのか見ていく必要があります。振り返ってみて特に効果を実感できないのであればこだわって気合を入れるほど真面目に取り組まなくていいということになります。
散歩はしたいのか、朝でなければならないのか。植物が見たいから昼、暑いのは苦手で人に会いたくないから夜なのか。
血の巡りの問題なら入浴でもいいのか考える必要があります。
気分的にはニュートラルで気分を上げるために散歩に行ったのに当てが外れてうつ発作が出たこともあります。何かの行動に対してその一つ一つに意味や効果を過度に求めるとかなり状態が悪くなります。
とりあえず身体を動かしてみて下さい。首を回す、立ったまま前屈する、アキレス腱を伸ばす。すぐ血液の循環を感じて気分が少しだけましになります。10秒で完了します。
あとは床にしっかり転がる。
どういうこと? と思うかもしれませんが、これは結構いい発見だと考えています。
意外とうつ発作の時は身体が休めていません。身体は不安で固まっていて、ソファーに座っていてもほとんどくつろげてはいません。呼吸も浅く、パニックに近いです。
その状態では本格的に眠ることも難しいです。人によっては物を食べることも難しいでしょう。
身体をただ横にするだけでも手や足の先から結構力が引き抜けていきます。
少し気分がいいなら思いっ切り伸びまでできるとだいぶいいです。大きく事態は変わらなくても突発的な苦しみは鈍化します。そしてそれはとても大きい救いになります。
窓を開けて外の空気だけ吸う(花粉注意)、
ルームスプレーを身体に振りかけたりお気に入りの香水をつけたりする、
音楽を聴く。自分は発作の度にはまる音楽が異なる場合が多いので曲のリストを作りそれをシャッフル再生にして感覚がいい部分をつかめるまで曲を送り続けます。
体調が悪いほど曲選びが難航するので死にそうになるんですけどね。
香りは理性の肥大に対してとても有効です。フィーリング優位にすると頭のグルグルが小さくなります。外出して香水をつける場面などずいぶんないのでここは一番のお気に入りでもためらわずに使用しています。
失った社交機会よりも回復が最優先の生活に重心が移った時期だと考えてください。
諦めるということではなく、持続可能性の問題です。健康状態に問題を抱えたまま対面で会う機会を増やすのは次の挫折や回復の遅れにつながります。
4.まとめ
うつ病等の精神疾患を抱えた状態での習慣化はとても高度なことです。日常生活のほとんどが難しいのでその上でさらに何かを継続することの大変さを受け入れることから始めていきましょう。
私が体調が悪い時期では歯磨きや入浴さえ困難でしたから。自分を許してできたことをしっかりカウントして下さい。生きることは元から大変なのにその上に精神病を抱えていることの苦労を認識してやっと一歩が踏み出せます。何か実行できたら手帳やカレンダーに書いてもいいと思います。
でもその日数が少なくても自分を大切にして下さい。死にたくなる思いをして生きてること自体が、身体を維持すること自体が既に素晴らしい努力の賜物なのですから。
私もこれからできる範囲で記事を増やしていけるように取り組みます。
長い文章を読んでいただきありがとうございました。それではまた。